STEAM教育について

いよいよ、7月23日(木)に「教育を開く」というコンセプトで、「Open Education」の第1回イベントが開催されます。
アフターコロナにどの様な教育にシフトしていくべきか専門家の方々の意見を参考にしていきたいと思います。

本日は、STEAM教育について
「STEAMとは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(ものづくり)、Art(芸術)、Mathematics(数学)の5つの単語の頭文字を組み合わせた造語です。
これら5つの領域を重視する教育方針を意味します。
この教育方針の目的は、現実の問題を解決に導く力や今までにないものを創造する力を育むことです。

元々はアメリカが、科学技術分野での競争力を高めるために推進してきた教育方針です。
日本でも「日本STEM教育学会」「STEAM教育協会」が近年設立され、STEAM教育は注目を集めています。
STEAM教育が注目されている背景には、テクノロジーの進展があります。

具体的には、AIやIoTなどの科学技術の発達やスマホ・タブレットといった端末の進化などが挙げられます。それによって社会は急速に変化し、社会に必要とされる人材も変化しています。

2015年に野村総研が発表した調査資料によると、10~20年後、日本の労働人口の約49%が就いている職業はAIやロボットによって代替される可能性が高いとされています。
これからの社会では、科学技術を活用するだけでなく、作れる人材が必要です。科学技術の理解を深めると同時に、それらを利用して新しいものを生み出す力を養うための教育として、STEAM教育は注目されています。

文部科学省は、これからの日本の学校現場における教育方針についての報告書「Society5.0に向けた人材育成 ~社会が変わる、学びが変わる~」を2018年6月に公開しています。
この資料は、先述したような先端技術の発達に伴う社会の変化に対し、教育現場ではどのように対応するべきかについてまとめられたものです。

資料には、STEAM教育に対する考え方とその導入方針が記載されています。
同省は、これからの社会において、以下の三つの力が必要だと考えています。

  •  文章や情報を正確に読み解き、対話する力
  •  科学的に思考、吟味し活用する力
  • 価値を見つけ出す感性と力、好奇心・探求力

これらの力を身に着けるための思考の基盤をつくるためにSTEAM教育を導入すべきとし、文系・理系を問わずすべての生徒に学ばせる必要があるとしています。

現在、2年程経過していますが、残念ながら日本は後れを取っているようです。
しかし、このコロナ禍をチャンスとみなし、積極的に動ける環境になってきていると思います。

黒木 昭徳

黒木数理塾 塾長・講師

そろばんの街である我が妻の故郷、小野市の数学離れをなんとかしたいと考え、2018年4月に理数専門の学習塾を開業。大学の数学まで指導する事ができ、高校においても合格が難しい生徒達を何人も合格させてきた実績あり。これまでの30年の指導経験上、数学の成績が上がると他の教科も上がることが多く、数理に特化した学力の向上を目指している。

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